スギダラ天竜支部



間伐杉の割り箸購入メモ

間伐材を利用した、量販目的の割り箸の購入先のメモ。

集めてみた所感
  • 材料の特徴のサンプルのつもりで集め始めたけれど、各地の差は分かるような分からないような・・・
  • 赤い部位があるかどうかは、材の特性よりも使っている材料が「丸ごと」なのか「端材(例えば柱をとって出る周囲の半円部分)」を使っているかの違いが要因のもよう。

■東北地方
【福島県】
・[会津]奥会津エコリード株式会社 http://ecolead.northnet.jp
メールで問い合わせ、直接見積もり依頼。500膳購入。ほとんど真っ白。
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■関東地方
【埼玉県】
・[多摩]はし藤本店 楽天ショップ
ほとんどが赤身を含んでいる。小口を見ると「全部茶色い」くらいの印象。
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■中部地方
【静岡県】
・[天竜]作業所せきれい http://sekirei.main.jp/
就労支援の工場(こうば)で作られている。人づてで直接購入。ほんとどが白く、まれに茶色か焦茶。年輪は穏やか。
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【岐阜県】
・[飛騨]飛騨製箸株式会社 http://waribashi.jimdo.com
サイトから18膳*4セット購入。赤身が1/3くらい。
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・[郡上]郡上割り箸 http://gujowaribashi.com
サイトから業務用を購入。(贈答用の堤も美しい割り箸が有名)赤と白が半々くらい。多少茶色い。
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【石川県】
・[石川]中本製箸株式会社 http://www5.nsk.ne.jp/nakamoto/
植樹祭の露店で購入。茶色のものがかなり多い。焦茶もある。年輪の色も濃く、かなりワイルドな印象。
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■近畿地方
【奈良県】
・[奈良]新屋製箸所 http://www5.kcn.ne.jp/
高級そげ箸、現地土産物屋で購入。赤〜茶の部分もけっこう入っているが、これは赤身箸セットかもしれない。「高級」と謳うからか吉野だからなのか、年輪の細かさと均一さはピカイチ。また、箸の形状に合わせているのかもしれないが、正面が柾目になる向きで揃っている。サイトからも購入可能の様子。
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・[奈良]株式会社シンワ amazon.co.jp内
会社のHPには普段使いの杉割り箸は載っていないが、Amazonで販売中。かなり茶色い部分多し。
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■中国地方
【岡山県】
・[西粟倉]ワリバシカンパニー http://warebashi.com
茶色が1割程度。
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【広島県】
・[北広島]わだち草 http://www.wadachisou.com/waribashi.html
飲食店業務用 1000膳 5000円(税込)。Facebookで問い合わせ、1000膳購入。ほとんど真っ白。
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■九州地方
【熊本県】
・[天草]株式会社松島木材センター http://www.m-moku.jp
熊本県天草市の製材所と、大阪河内のやなぎプロダクツ株式会社が共同開発した。以前はamazonで購入できた。意外にも(?)、ほぼ真っ白。まれに赤身が少し。年輪の色も穏やか。
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# by sugidaratenryu | 2016-08-20 18:04 | 杉道具/杉家具

遠州酒蔵見学

友人から「遠州酒蔵取材ツアーを企画しているんだけど、いっしょに来る?」と誘われて、二つ返事で参加を決めた。

しかしなぜ二つ返事をしたか、そこから考えてみたいと思う。

というのは、実は私は別にお酒が大好き!というわけではない。
どちらかというとお酒の場が面白く、あとは酒が入るとちょっとテキトウでも許されるようなところが気楽で良い。

しかしお酒の味は全然わからない。飲み比べセットを頼めば確かに味は違うなとは思うけれど、好きか嫌いかというのが判断つくほどの思い入れはなくて、だから好みの酒というものはない。同様にビールの味も特段の好き嫌いはないし、水の味も違いはよく分からない。だいたいのものが「おいしい」というおおざっぱな中で生きている。

それでも酒蔵には興味があった。特に、「ツアー」で複数を短時間のうちに回る、というのはとても興味深く、だから二つ返事だったと思う。

興味を持ったところをつれづれに挙げてみると、日本酒というのは土着の酒であって、歴史が古い。けれども一時期人気が落ちて、しかし最近盛り返しているという噂を聞く。おそらく「職人」と言われる人が居るであろうこと。聞きつまんだ話では、職人の微妙な判断によりそれこそ職人技で銘酒は仕上がるらしいが、私には職人が何をどう判断するのか想像できず、そのあたりを確認できるかもしれないという期待もあった。また、酒の味は、土地や酒蔵(蔵付きの菌)によって異なるらしいが、どうも信じられない。それから個人的に、古い建物や道具が美しいと傾倒しているので、酒蔵にはそういうものがわんさとあるに違いないということ。

その辺りを総合したであろう直感により、二つ返事にて酒蔵ツアーに出発した。

この日の訪問は2箇所、1つは天竜の山裾ともいえる浜北区にある花の舞酒造。
もう一つは、掛川市にある土井酒造場である。

まずは1軒目の花の舞酒造。
こちらは、大々的に、いわば商業的に酒造している印象があり、その通り、見学コースも整っていて、効率的に案内いただいた。
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販売店舗。最近、こういう古い作りの建物に非常に心惹かれる。
奥に見えるのが門前町を生み出したお寺、庚申寺の門。


販売店舗と酒蔵、倉庫がお寺の門前にある。店舗の前の道は、昔からの門前の通りで、道幅も昔から変わらないという。軒先には大きな杉玉が堂々と下がっている。スギダラケ倶楽部会員として、嬉々としてお店で作ったのですかと質問したところ、お酒の神様の神社で祈願済みのものを購入するとのこと。

なるほど、一般の方向けに、杉玉作りワークショップを企画したら面白いのではと思っていたが、杉玉をレクリエーションの道具として扱うのは酒屋さんでは場違いなのかもしれないと思い直した。
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とにかく立派な杉玉。


ちなみに杉玉の意味合いについては、あくまで「新酒ができました」のサインであって、"緑だった杉玉が茶色くなると酒が熟成したしるし"ってことはないとのお話でした。

そういったお話と案内は、杜氏の土田さんがしてくださいました。職人といえば寡黙・・・というイメージをくつがえす、はつらつと元気で楽しい見学でした。

まずは店舗の裏手へ。目に飛び込んでくるのは酒タンク。
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50,000L入るんですよ・・・それが4−5棟ありました。

タンクの手前にある木はケヤキ。「良い水を呼ぶ」と言われているとのこと、こうやってタンクの間にガシガシそびえ立っていました。

大事な原料の1つ、お水はこちらの井戸でくみ上げています。赤石山系の伏流水だそうです。
店舗でお水も試飲させてもらいましたが、いつもの通り味の違いは分かりませんでした・・・私には無味無臭のおいしいお水でした!(ほんとそんな感想ですみません)
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くみ上げた水はパイプにて各種施設に送られています。メカ感がすごい。


この時は気づきませんでしたが、今思えば、東名高速道路や第二東名のような大規模工事がそれなりの近い場所で行われた土地ですが、変わらず美味しいお水が汲めるというのは素晴らしいことです。

続いて、精米所へ。
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こちらもメカ感がすごい。

見学に伺った5月は、実はお酒造りがひと段落した時期のため、工場は落ち着いて広々していました。こんなに大規模に精米するとは思っていなかったので、規模にびっくり。

それで・・・工程としてはいろいろあって・・・それこそ大事な米麹の仕込みとかがあるわけですが、見学できるような気楽な工程ではなく(仕込み時期ではないので実施もしていない)ので、見学ツアーとしては、次はもう酒! お酒できてます!
個人的には、桃から生まれた桃太郎が、桃から生まれるなんてびっくりだった次の瞬間にはお供を従えて鬼ヶ島に到着していた、という感じでありました。仕込みタンクが並びます。
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タンクの中が冷えているので、この場所もひんやりしています。


そして原酒を試飲・・・いつも通り、ザ・おいしい 以上のことは分かりませんでした・・・けど・・・おいしかったんですよ。ほんとすみません。
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こうして美味しいお酒ができるわけです。
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ちなみに貯蔵タンクの横には、戻ってきた空いた樽が山積み。
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浜松では、5月初旬に浜松祭りが行われ、各所で樽の酒が振る舞われます。ちょうどそれの空いた樽が戻ってきたということですが、樽の二次利用方法は特段ないということで、何か使えたらいいのになとアイデアをひねりたいですね。

この樽を見て、日本酒は、ある意味記号化しているんだなと思いました。祝宴などでの鏡開きは、あれは儀式的に「めでたい!」という表現として定着しています。それは、新興のお酒のビールやウィスキーにはない点です(野球界ではビールがけしてましたけど・・・最近はしていないかな? 少なくとも一般には行われません)。焼酎も400年を超える歴史がありますが(by Wikipedia)、ハレの場に用いられる立ち位置に置くということは聞いたことがありません。(日本酒の歴史を調べたところでは、「稲作と共に始まったby Wikipedia」とのことで、歴史の長さはずば抜けていた!)

ちなみに、杜氏になりたい(酒蔵で働きたい)という希望者は一定の数がいて、花の舞酒造さんでは人手不足にはなっていないとのこと。たまたま今は全員が地元出身者とのこと、地元の米、地元の水、地元の人間の三拍子揃った地酒だそうです。

また、花の舞酒造では、新製品開発が盛ん。日本酒としてはかなり変わりダネの商品もあります。パッケージデザインもモダン。杜氏の土田さんが楽しそうに、「若い人も受け入れやすいようなものを、若い者が作っている」とお話されていたのが印象的でした。

◎ぷちしゅわ日本酒 ちょびっと乾杯
http://www.hananomai.co.jp/product/liqueur.html
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※画像はリンク先からお借りしました

地元名産のメロンやイチゴ、ブルーベリー味もある地元色満載の新ジャンルのお酒。ビンの形もかわいい。

2015年にリニューアルした「SAKE Dolce(サケドルチェ)」
http://www.hananomai.co.jp/information/596.html

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※画像はリンク先からお借りしました

やっぱり毛筆とか和紙とかいうアイコンが乗っているとうもれてしまうので、こういうパッケージは目を引きます。

HPによれば、従業員64名という花の舞酒造。大所帯の組織が次に続いていくためには、大規模な工場(こうば)、見学ツアーなどでの企業のPR、新しいことへの挑戦などが欠かせないのだろうと推測します。

ちなみにこちらは、米麹の仕込みの際など泊まり込みの際に泊まり込む建物。いい雰囲気です。
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職人たちはみんな地元だし、今は別に泊まり込まなくてもいいらしいのですが、まあ遅い時間になったり来るべき時間が早かったりしたらもう泊まっとこ! というノリで使っているとか。

疑問に思っていた「職人技」については、1つ合点がいきました。
酒を作る際には、ある一定の味を目指す、という点を私は見逃していました。私は、「自然の材料を自然のあるがままに加工している」と思っていたわけです。しかし、とある銘柄のお酒として、「あの味」に仕立てたいという目標があれば、材料・天候などの違いを吸収する必要があります。
嗚呼、それが職人技。

仕事でも生活でも、人間やら人工物やらとしか接していないと、こういうことがピンと来ないのかもしれません。勉強になりました。


続いては、掛川にある土井酒造場さんに向かいます。
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# by sugidaratenryu | 2016-08-06 18:18 | つながり

わらしべの里共同保育保育所見学 その2

続いて、わらしべの里保育所所長の長谷川佳代子氏の方針についての感銘を書きます。
ただし、見学訪問当日は休園日でしたので、園児たちを直接観察していませんのでご了承ください。

長谷川さんのスタンスはこれ。
「子どもの成長を、覗き見る」

語感が悪いので公の場では「覗き見る」とは言わず「見守る」と言い換えているそうですが、感覚そのままで言えば「覗き見る」だけだとのこと。

その真意は、「子どもを信じて、子どもが自らの力量を確かめていく、かみしめていく過程を、ただただ一緒にいること。『見守る』とは上から目線。大人が何かをして育てるという感覚になる。私は、子どもが自ら成長する様子を、こっそり見ている感じ」とのお言葉、がーーーん!どーーーーん!と感激しました。

心のどこかで、「子どもって、もっといろいろ出来るんじゃないか」と思っていた。もっと任せていいのではないかと。それに近いことを、実際に子どもに接している方が信念とされているとは、とても心強い。

配布資料によると、わらしべの里保育所は、そもそも預ける場所も機会もなくて困り果てた子どもとお母さんのために「子どもの居場所としての保育園」を作ったことに始まります。スタートは、自閉症と脳性まひを持った子ども達だったのだけど、障害があろうがなかろうが、その子の存在を認めることが出発点だったとのこと。

さらに資料には、「存在を認められた子どもたちは働き者になる」との一言が。
子どもの存在を認め、子ども自身に成長を任せ、大人は覗き見する程度 という方針による保育の様子をいくつかお話しくださいました。

※「覗き見る」ということは、「完全放任」ではないのですが、いかほど子どもと関わっているのかは今回の訪問では(保育自体がテーマではなかったこともあり)読み切れませんでした。
以下、長谷川さんのお話くださった具体例をお伝えします。

○園にスケジュールはありません。
驚きでした。大人ですら、「お昼休み」が決まっているというのに・・・
園に来たら、誰もが好きなだけ遊びまくる! 園庭で泥遊びしてもいいし、雨の日は園舎内を周遊してもいい。とにかく遊んでいるうちに、お腹が減る。園児たちは給食を待ちわびる。給食が完成したら食べたい人が食べる!
また、遊び尽くしているため午後になれば眠くなる。眠くなればお昼寝をする、という具合。

年長さんくらいになると、給食の食器は軽くゆすいで返却するという芸当ができるそうです。(私は感心しましたが、一般的にできるものかどうかは誰か教えて)
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食器をゆすいで返却するための子ども用流し。低いです。


また、古川さんはこのお話を聞いて、3・4・5歳児室から厨房の様子が見えるように設計したとのこと。心ニクイぜ。

そうじの時間も特に決まっていないそうですが、(確か)自主的に子どもらは雑巾を取り出して拭き掃除をするとのこと。

→おそらくコミュニティの出来始めのころは、職員による掃除への誘導や、「雑巾とは掃除用具である」「汚れたら掃除で綺麗にすることができる」という伝達はあったと思うのです。一度園の文化ができると、子どもらの間で「汚れたら掃除をすると綺麗になる」という知識が引き継がれているんじゃないかと想像します。

○園にクラスもありません。
特段分けてはいないようです。
担任もいないわけですが、職員は、園児全員を把握しておくという努力とスキルが必要になるとのこと。
→つまりは、一線を超えた場合には大人が声がけなり何なりで、介入するという意味だと思います。その一線をどこに引いているのかは分かりませんでした。事例から想像するに、一般よりも相当奥に引いていると思います。

○子どもたちが園外に遊びに行きたいと言えば、行かせます。
→これこそ、おそらく、外に行くだけの経験を積んだ子どもなら行かせる、という意味だと思います。今回見学した新園舎の南側は幹線道路で危険なため、そちら側になるべく園児が出ない建物の位置と間取りになっているとのことですから、危険に近づけないという大人としての配慮はゼロではない。でも例えば「川に行ってくる!」と言われれば送り出す とのお話でした。
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「川」とは利根川で、超でかい川です。「危険」いっぱいです。


おそらく、泥遊びなり園外経験なりで、水の怖さを知っている子だと見極めての許可だと思います。また、遠くまで行って迷子になる心配はとも思いますが、前述の通り、お腹が減れば帰ってくるので問題ないと。

聞いた話ですが、ジプシーの子どもは(放浪しているジプシーって、もうあまりいないそうですが)、子どもが親の居場所を常に把握していてはぐれないように気を配りながら、周りで遊ぶんだとのこと。親が移動し始めればついてくるというお話。
必要があれば、子どもが気を配れるんだ!という衝撃の小話でした。


想像の部分が多くなりましたが、とにかくこの園はその方針で回っているわけです。
長谷川さんは力強くおっしゃいました。
「子どもに任せても、ちゃんと秩序は保たれますよ」

うーん 信じがたい。でも信じたい。
そんな気持ちで聞いていました。


もう一つ、印象的なエピソードをご紹介します。

今回見学させてもらった新園舎は、室内の廊下は杉材でできています。旧園舎は檜の床材でした。新園舎に来た子供達は、床材の違いに気づき、「どう扱っていいかわからない」というような様子で、なかなか園舎内に入らなかったとのこと。そのうち、園のアプローチ(縁側のような場所・檜材でできている)と室内のそれぞれに片足を置いて仁王立ちになり、何かを確かめている様子だったと。

それほどに、鋭敏に材の違いを感じ取り、なおかつ扱い方がわからない=いためてはいけないという優しさなのか、または未知への畏れなのかわかりませんが、いずれにせよ「自らのありのままをいきなりぶつけない」という気遣いができるのかと、とても驚きました。


そんなこんなで、感動し感銘受けっぱなしの見学会でした。
企画&誘ってくれたココモリプロジェクトチームに、この場を借りて感謝いたします。
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園舎全景。

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# by sugidaratenryu | 2016-07-16 16:15 | つながり

わらしべの里共同保育保育所見学 その1

さて、見学にうかがったのは4月のことで、だいぶ時間が経ってしまいました。

というのは、建築の専門性を持っているわけでもなく、子供を育てているわけでもない私が何を語れるのだろうと悶々とするモードに陥ってしまったからなのですが、そういう立場の私でも大感動しました!!というお話は堂々とすればいいのだ という気持ちにたどり着き、書き出したしだいです。

というわけで、この記事は専門的な点や、保育や育児の難しさについては又聞きの域を出ていませんことご了承ください。あとは、感性にまかせて前のめりに見学させていただいた結果、あまりメモを取っていませんので間違い勘違いがある可能性もご了承ください。

そんな弱気な書き出しではありますが、こうなればガシガシ書いてまいります!

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さて、わらしべの里共同保育場は、埼玉県にあります。
設計は、アトリエフルカワ一級建築士事務所の古川泰司さんです。(初対面で名刺をいただいた際、私は第一声に「アトリエフルカワー って読めちゃいますね」とアホな感想を口走ったことを鮮明に覚えております)

埼玉と言っても広くて、ド都会から山までバリエーション豊かですが、保育所の周りはこんな感じで、畑が広がり、どっしりとした家並み街並みも感じられ、しかし幹線道路はトラックや車がガンガン走るというような、いわゆる都市といわゆる田舎の中間くらいという印象を受けました。
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わらしべ園庭から北東の風景


(今調べて認識しましたが)所在地は埼玉県の最北。園からすぐのところに群馬県との県境となる利根川が流れています。(たしか)その河川敷から、グライダーが離着陸するという、広々とした土地です。
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ちょうど飛んでたグライダーと、園舎アプローチ


何はともあれ、問答無用で建物が美しいことにキャッシーはド感動しました。すっと自然体に存在していて、凛としている。形や構造の随所に意味や想いがある。建築家としての美しさへのこだわりは、さりげなく適用されている。利用者(依頼者)の意図と建物が整合している。依頼者である園長先生の子供へのアプローチに大賛同!!と、とにかく建物から保育方針まで、ド感動だらけでした。

まずは建物の美しさから。アプローチの軒下がこちら。
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杉材の美しい廊下。
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お母さんたちが相談にくるという支援センター。そこはかとなくピンクです。かわいい。
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そして、わらしべの里の代名詞にもなりそうな大ホールこと3・4・5歳児室開け放ちバージョンがこちら。
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さて建築とは意匠ばかりではありませんで、構造やら行政の規制があります。これらについても、なんだかとっても爽やかに解決されていると感じました(すごいことほど、”ふつう”に見えるってやつですね)。

いただいた資料によれば、「建物は『準耐火』の木造。地元埼玉県の木材を81%使用、使用量としてはおよそ140立方メートル。」ということですが、シロウトにもわかるように古川さんが噛み砕いてくださった解説によってワタクシが理解したところでは
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・あらかじめ「45mm=40分の燃えしろ」を取ってあるため、火災時に燃えて崩れるまでの時間をかせぐ構造である(木造でも、逃げるだけの時間を確保することで多人数を収容する施設としての安全性を確保している)

・使うなら地元の木でしょ!、という気持ちがあっても、100%地元材!とこだわると”縛り”になってしまい、苦しいところが出てくる。8割が地元材なら誇っていいと思う。 

・大きな施設を木造すると使用量のインパクトは大きい。多くの人の目にも触れるので、アピールとしても強い。
[参考]普通の一軒家で使われる木材量は幅はありますが20~30立方メートルのようです(今Googleでちらっと調べ)。
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数字や規制に関する情報は上記のような感じです。とにかく火災を起こさぬよう、起きた時には命を奪わぬよう・・という規制の想いは、泣けますね。「そんなガチガチに言わなくても」と思ったりもしますが、根本は優しさでできているのが規制ですね。

燃えしろ構造にした場合の問題点になりやすいのは
・構造材が太くなるので、意匠上もっさりする
・使う材木量が増えるので、費用がかかる
ということですが、前者については、構造材を壁で隠してすっきりさせ、木面が見える量のバランスを取ることは可能とのこと(なおかつ壁に隠した部分は燃えしろが少なくていいらしい)。大ホールの写真を改めてご覧いただきたいのですが、もっさり感はどこにもないと思います。

あとは後者の「使う量に比例して価格が上がる」ことはあまり詳しくわかりませんが、とにかく国産材が安い現状なら問題ないんじゃないでしょうか(無責任ですみません・・・個人的にリアリティが持てない観点のため)。いや、真面目に考えると、外国産材はもっと安いのかもしれませんが、想像するに100の木量が120になることより、搬送トラックが3台から4台になることの方がお金かかりそうな気がします。

材料についてポイントだと思ったのは、設計士と構造計算担当が、しっかり連携をとったというお話です。構造上の安全性を担保するための構造設計は、計算によって純粋に答えを出します。具体的には、「ヤング係数(木の丈夫さの基準)は90で××立方メートルね!」という答えが出たりするようですが、現実的には、そんな丈夫な木がそもそも山から出ていなかったり取引している木材問屋さんのところになかったり、とどのつまり費用がかさむなどの状況が発生するわけです。

そこは設計士の腕の見せ所かとも思いますが、構造上の安全性と材料の都合、さらには利用者の三方良しの設計を導き出したわけです。


さて、構造と表裏一体の意匠や機能。構造と意匠と機能がうまくかみ合っている!という象徴的な2箇所をご紹介。

まずは大ホールの天井です。
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リズミカルに並ぶ桟は、実は大ホール真上については構造上の役割はないとのこと(別の部分で屋根を支えている)。構造上必要性があったのは、大ホールの左右に配された学童室と乳幼児などの部屋だけだったのですが、古川さん曰く「乳幼児から、3・4・5歳、そして学童(小学生)がみんなつながっている、ということを表現したくて、同じ意匠が続いているようにしたし、隣の部屋の天井が見えるように間をガラスにした」とのこと。

なんてこった!!

てっきり単に支えるための構造だと思っていました!! でもさりげなく、想いが表現されていた。押し付けるのではなく、そっと周りにいて気にかけている。そんな感じがしました!!

続いてこちらは、学童室の小上がり。今回のツアーでは、対談会場となり、小上がりの階段を客席にしました。
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これもてっきり、空間の面白さを意図したのかと思ったのですが、竜巻避難用の地下室を作る必要があり、しかし完全地下にするには地下水の水位が高すぎて半地下にしかできなかった結果、とのこと。半地下にしかできないことだけ考えたら、ネガティブ要素だったんだと思いますが、それが不自然ではないし不都合でもない形で収まっています。先に小上がりを設計したのではと思うくらい。

階段を駆け上がるって面白いし、上と下で段差があるやりとりも面白い。角や隅っこが多いので、落ち着いて過ごし易い。広さが魅力の大ホールとの役割分担でもあるし、年齢が上がった子供達は少し落ち着きが出てきますから、空間も落ち着き易い方がいいと思います。

同様な事情と形状は、大ホールを挟んだ反対側の乳幼児室にも取り入れられていて、ごく幼い乳幼児も広すぎる空間よりも安心する小空間がいいわけです。また、小上がりの上と下で年齢層が分けられていて、上は乳幼児、下はハイハイができる幼児のゾーン。ハイハイができる幼児って、年下の子への配慮ってまだできないと思うので(たぶん)、段差によって緩やかに区域を分けてあるってのもうまいもんです。それがまさか、地下水の水位から生じたうまさとは。


それから、設計者のさりげないこだわりがこちら。
逆光がひどくて色合いが酷くて申し訳ないのですが・・・この窓の作り方に、古川さんのこだわりが入っています。
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さりげないですが、この窓、窓枠が外側に取り付けてあります。つまり、この内側からは窓枠(サッシ)は見えず、額縁のようにさらっとしていて風景を邪魔しません。ほんとに、すこーーーんと枠が空いていて、あんまり窓って感じがしませんでした。開放感がとてもあります。

これは別に依頼されたわけでも要求があるわけでもない、古川さんのセンス!

そして、印象深かった古川さんの言葉は、「この園の方針を聞いて、子供達の動きをみて、先生方の様子を見て、それを邪魔しない建物を作るのがぼくの仕事だと思った」。

そうなんです!!!
日常を過ごす建物って、それくらい、無視できるくらいの存在感であってほしい。でも意識的に見た時には、とても丁寧な仕事だということがわかる。ずっと過ごしていたのに、あるときその意味にはっと気づく。
建物と人とは、そういう距離感でいるのが、私はここちいいと思います。

最後におまけ。
ハイハイができる幼児部屋から園庭へのアプローチ。ハイハイで直接お庭にでられる特別仕様です^^
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その2では、園の方針について語りたいと思います。
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# by sugidaratenryu | 2016-07-03 14:49 | つながり

「森の力」についての考察-音環境-

先日の木育楽会で紹介のあった「森に行くと、多動症の子供もずいぶん落ち着くんです」というお話。森や木の関係の場に行くと、同様に「森に行くと落ち着く」「癒される」という指摘がある。

これについて、私自身の経験則からのつれづれ考察です。


なんでそんな効果があるのか?
ズバリ、森の中は「静か」なんだと思います。

「可聴域」というものがあって、人それぞれ聞こえる周波数の範囲は違いますが、聞こえると認知できる音、できない音含め、「森は静かである」。
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何に比べて静かかというと、「人工物でできた建物の中よりも静か」だと思うのです。

人工的な音って、ちょっと不快なキンキン音も含んでいると思うのです。これは私の実感として。

例えば最近液晶テレビに替えたのですが、スピーカの質が落ちたのか、ちょっと高音が強くて最初違和感がありました。今は慣れましたが・・ 

で、こういう人工的に出している音は、部屋の中の人工物に反射して、ますますキンキンすると思うんです(後述しますが、実感として)。
表面が樹脂の扉とか、ナイロンのカーテンとか、家電(プラスチック)とかって、表面がツルツル固いのでよく跳ね返ると思うんですよ、音が。

たいていの人は慣れて、問題なく暮らしているのですが、森の中だと、そういう不快音がない。
音を出す方も自然物だし、周りにあるものも自然物だから、音そのものに不快さがなくて(※)、なおかつ出た音は吸収される。木の表面や、土、そこにある枯葉など、すごく表面が柔らかいな、吸音するよなこれはと、個人的にはびしびし感じます。
※根拠は、と言われると科学的ではないですが、想像として、森の中の音=人類数万年の進化の過程の間じゅう聞いていた音なんで、不快扱いはしないんじゃないかなと。

特に子供なんて、可聴域が広いと言われています。高い音がよく聞こえる、モスキート音の話もよく聞きますね。だから、人工的な部屋にいると、単純にうるさくてイライラしているんじゃないかなーと想像しています。森に来ると音がなくなって落ち着くのではないだろうか。

私の実感では、「古民家」も音を吸収します。

子供の頃の祖母の家は、築200年超の茅葺き屋根の家でした。その中の静けさと言ったらなかったです。その時は、広い屋根裏空間があるから音を吸収しているのかなーと漠然と思っていました。

大人になって、いわゆる「古民家」で、おそらく明治くらいに建てられた瓦葺きの2階建ての家にお邪魔したことがありますが、そこも静かだった。その時も、純和風の建築で形作られる空間が静かなのかな、と思っていました。

さらに、東京・目黒にある東京都庭園美術館の建物も、中は静かでした。それは、昭和8年に建てられた、完全なる洋館です。
■東京都庭園美術館 沿革

ということは、空間の形が吸音しているのではない。
おそらく天然資材で出来ていると、その部材が吸音してくれるのではないかなと。土間、柱、天井板、建具、壁紙、絨毯、大理石でさえも。

住宅メーカーが以前実験で、コンクリでできた箱と、木材でできた箱にネズミを入れて寿命を測っていたことがありましたね。結果は、木材箱の方が長生きでした。
■静岡大学によるマウス実験(どのページ見ても同じ実験を根拠にしているのが若干心配ですが・・いろいろな観点で実験してほしい)

「森には人を癒す力があるんです!!」と声高に言うと、怪しい世界に聞こえてしまう懸念があるので笑、一応科学的に(?)考察してみました。

こちらは林業女子会@静岡のワークショップで作った、木のチャイム。
スピーカからの音とは全然違う、やさしい音がします。
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ご意見いただければ幸いです!
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# by sugidaratenryu | 2016-02-27 11:39 | つれづれ


日本全国スギダラケ倶楽部、天竜支部です。
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