スギダラ天竜支部



カテゴリ:知識( 6 )


内藤さんシンポジウム1


去る2009年12月初旬に、内藤廣さんをお呼びしての建築士会のシンポジウムがありました。父(マッシー)が建築士のため御案内を頂き、何の疑問も持たず会社を休んで拝聴しにあがりました(平日午後だったので)。


行ってびっくり。
世の中で、建築界の大御所・東大の先生として羨望のまなざしで見られている内藤さんは、なんのことはない、単なる"おもしろ建築やくざ"だったのです。てっきり、スギダラと関わるときだけスギダラ的ノリに押されて、少年のようなにこにこ顔になっているのだと思っていましたが、ただただ、それが内藤さんの地だったようです。そりゃ面白いわけだ。ひたすら2時間、親近感をひしひしと感じてきました。

内容は、日向市駅+夢授業。ど真ん中スギダラです。
それも、大変に意外なことでした。建築士会のシンポジウムだから、門外漢・キャッシーには難解かな?という予想は全く外れ、スギダラど真ん中、富高小メンバーとの感動を私にも言わせて!というくらいに主体的に聞くことができました。逆に、一般建築士のみなさんはどう感じたんでしょう・・感想をインタビューしてくればよかった。あの授業の時、私はスギダラ3兄弟の後ろのポジションで関わったわけですが、内藤さんのポジションからのお話は、また興味深いものでした。


全体を通して気になった点(いまだに気になっている点)を2つ。

1つ目は、内藤さんが最近感じているという「待つ」という考え。「待っている」例としては、「静岡県民は東海沖地震を待っているでしょ? もはや『備える』ではないでしょ?」とのこと。 うーん、確かに。先の夏の震度6の後、周囲に感想を聞くと「ついに来たと思った」「でもこんなもんじゃないと思った」「こんなもんじゃない、東海沖は。」・・異口同音にみな言ったものです。確かに、もはや能動的に待っているのかも。
別の例としては、「京都という街は、待っているように感じる」。うーむ、そうですか・・・。キャッシーにはまだ理解できませんでした。新建築に記事を書かれるそうなので、読みます。

2つ目は、内藤さんがこのシンポジウムでお話しされたことは、おそらく、「この日のために用意したネタ」ではなく、「日々思っていること・考えていることの最新の状態をその場で話している(話すことによりまた内容は進化していく)」という感じじゃなかったかなと思いました。シンポジウムのタイトルは「ハコモノを超える」で、1ヶ月以上前にそのタイトルが刷られたチラシが手元にあったように思います。1ヶ月のタイムラグがあり、つまりその間進化し続けた思想ながら、テーマである「ハコモノを超える」はブレなかった。うーん どの辺りを見て進めば、そういう動きができるんですかねえ・・

さて、だいぶ抽象的な話になってしまいましたが・・ その2では、具体的な内容をお伝えします。
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by sugidaratenryu | 2010-01-06 23:44 | 知識

杉知識 その4 「伝統」を考える

杉そのものとは少し離れますが、地域のことを考えるときの頻出単語、"伝統"を考えてみたいと思います。
"伝統"と言えば、 「伝統を守ろう!」「これは、伝統的工法で作られたものです」「伝統的な風習を守り伝えて行かねばなりません」 などの文脈で語れることが多いものですよね。

そう言われると、「ははーーーっ 大事にします」と低姿勢になっちゃったり、「僕は守りません!」とでも口にすればまるで自分が悪人であるかのような気持ちになっちゃったりしませんか? 少なくとも私は、そういう有無を言わせぬプレッシャーを感じます。 でも、伝統の正体って何だ!? と考えてみたいと思います。

私は、「伝統」の中の2つの側面に注目したいです。
1つ目:膨大な試行錯誤を経て作り上げられた技術や知恵のこと
2つ目:"地域"や"人々"と密着に関わっているがゆえに、コミュニティの共通項になるもの

あいかわらず、固苦しくて申し訳ないですが、そうやって考えると納得感があるのです。

1つ目については、
例えば、ある素材を、何かしらの使い方をしたとして、100年後の耐久性は100年しないと分からないわけです。また、土地土地の微妙な違い(気候や土質、人の気質など)に適した道具を作っていくには、微妙な修正が山ほどいるんだと思います。薬や食べ物などが人にとって害になるかどうかについても、長い年月の多くの人たちの経験の上に、知恵が作られる。

そういうことの総称としての、「伝統」。

そういう素材や道具や知恵は、八方に良いもののような気がします。
人に良い・使うに良い・持ちが良い・壊れても直しやすい・素材が手に入りやすい・環境に良い(汚染しない)・・・他にも、自分たちで作れるとか、自分たちで守って行けるとか。


2つ目については、
私は、1つ目に書いたようなものに加え、祭やら伝統食やら伝統文化は、その地区に住む人たちの共有の物事になり得るから必要だ、と思います。 その地区に住んでいる人(住んでいなくても、関わっている人)達の間で、共通の話題になるもの。

例えば、地域の最小単位の家族について考えてみます。
家族とは、実は、世代も性別も職業も興味も、てんでバラバラです。 そうすると、実感として「共通の話題が全然ない」と思うことはありませんか?  私はよく感じます。

でも、ときどき共通の話題があります。 明日はひどい雨らしいとか、いつも家の周りをうろついている野良猫の噂話とか、今日は燃えるゴミの日だとか、 車の保険は家族割引にしようとか。 とにかく、共通の話題とは、家族全員に"ほとんど強制的に"関わってくる物事です。もちろん、冠婚葬祭も。

それらを、家族から地域に拡大したものが、地域の祭や食やら文化だと思うのです。

便利になった最近は、物理的に近いからといって、近所の人と特に関わりを持たなくてもすむようになりました。だから、知らない人同士という関係でスルーしていても問題ないようにも思いますが、やっぱり人間、隣の人とは折り合いよく過ごしたいし、もしもの時にはどうしてもすぐ近くの人に頼ることになるし、ねえ。

でもきっかけがないのよねえ・・・というときに、「伝統」が一役買うんじゃないかと思うのです。ちなみに浜松は、来週お祭ですが、明らかに話題沸騰、老いも若きも祭。「なんで祭だからってそんなに楽しそうなの?」「だって祭だもん!!」という、理由なき衝動っていいと思うんですよね。
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by sugidaratenryu | 2009-04-26 23:32 | 知識

杉の基礎知識 その3 街生活と杉


早くも3回目を迎えました、杉の基礎知識。
山にある杉について2回考えてみたところで、早速、街での杉も考えてみたいと思います。

街での杉。
3年くらいスギダラしていて、さっきやっと気付いたのですが、
街に杉って、ほんとうに存在していませんね。

・・・実家があまりに自然に囲まれていて、東京にいたときもスギダラなオフィスで仕事をしスギダラな各地を巡業するという幸せな生活を送っていたため、うっかり、街にも杉があったり、一般的な都会人も適宜杉に触れる生活をしているもんだと思っていました。嗚呼びっくり。


では早速、
人口80万の中堅地方都市:浜松の街生活にて検証してみましょう。
(あまりに素人なので、材木を見ても明確に木の種類が判定できませんため、「杉チェック」というよりも「木製品チェック」となっておりますが、ご了承ください)

◎駅と杉
JRの浜松駅に、杉(=木製品と思ってくださいね)は存在しません!
 例外は・・・
 ・ホームのベンチ
 ・駅ビルのお店の意匠的内装
 だけですね。入り口のトビラの取っ手すら木じゃないです。金属。
枕木も今はコンクリートですし、建物もコンクリートか石か金属です。
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駅のベンチ(これは遠州鉄道の駅)
月刊杉web32号 浜松市・街とスギもご参照ください



◎道と杉
街路樹! 木ですね。
でもそれだけですね。
20年くらい前にはちょくちょく見かけた木製電柱も、とんと見かけなくなりました。(街中は電線地中化してますし)
ガードレールやら、側溝のフタやらも、プラスチック(?)・・とにかく固い樹脂や金属です。
ちなみに、藤森照信氏設計の秋野不矩美術館への道の側溝は、木製でした。(写真がなくて恐縮です)。良い使い方のように見えました・・気になりますね。

◎ショッピングセンターと木
我家は、最寄りのお店が市内屈指のショッピングセンター、という非常に便利な場所に位置しているので、その一大アミューズメントゾーンについて考えてみます。ショッピングセンターのみならず、ゲームセンター/スポーツジム/家電店/パチンコ屋/飲食店など、ありとあらゆるものが揃う場所です。
植栽! 木ですね。特に、ショッピングセンターは、周辺住民参加でランダムにランダムな樹種を植えるという、自然に近い植栽をされていて、とてもおもしろいと思いました。
その植栽の土止めは木製でした! 偉い!
でも、以上!ですね。

あとは、例の如く、お店の意匠的内装としての木だけです。(パチンコ店に入ったことはありませんので分かりませんが・・・)

ちょっと思いついたので書きますが、ショッピングセンターにある広々とした駐車場の車止めを間伐材で作ったらどうでしょうね? 1年もしたら朽ちると思いますが、そのメンテナンス自体をイベントにして、取り替えを行い(作るところからやっても面白そう)、古い"杉車止め"でキャンプファイヤー! という夏の行事、面白いんじゃないでしょうか! 

◎家と木
一般的な家を思い浮かべると・・・
床板・・合板。最近では、ビニール的なものですらあることも・・防音のため?
トビラ・・玄関のトビラは金属製?
戸・・室内の戸も、メラミン化粧板に見えます。もしくは合板?
障子・・そんなものが存在しない家も増えましたよね
机・・合板/突板など? 無垢の机に出会うことは滅多にない
食器系・・漆調のプラスチック。お盆なども、プラが多い。
収納用具・・プラスチックのケースだとか、合板やメラミンの家具など。
最近は鉛筆も使わなくなったので、そういうカケラさえ見ませんね。

◎オフィスと木
オフィスに木は、100%存在しない といってもいいのではないでしょうか。
机・・金属だかメラミンだか、木目調のプリントがされている、素材不明のものが多い
収納・・金属やプラスチック
床・・人工繊維のカーペット
壁・・金属? コンクリート? とにかく固い素材。


自分が生活している場所を思い浮かべて書いてみました。
都市・街に暮らしている方々においては、大差ないのではないかと推測します。

木に触れる、物理的に触れることも目に入ることも、滅多にない生活。
それが日本の都会の生活なんですね。

それが悪いのかどうかは分かりませんが、私個人的には、木の手触りと見た目が好きですし、湿度調整などの嬉しい機能もありますし、もっと多くの木が身近にあっていいように思いますね。


一家に一台スギの家具。

このキャッチフレーズがやっと、心に届きました。
一家に一台、もしくは一個の杉道具が増えれば、それだけで杉率がずいぶん上がるわけですね。
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by sugidaratenryu | 2009-04-02 23:48 | 知識

杉の基礎知識 その2 間伐


杉に関わっていればよく聞くワードの1つ、「間伐」。

調べてみましたが、深い、広い! 気軽に関われないトピックのような気もしましたが・・・
ざっくりまとめますと、どこの情報源にも共通しているのは、
 ・人工林を健全に育てるには、間伐は不可欠
 ・現状の間伐の実施は不十分である
 ・間伐材の使い道が、なかなかない
という点でした。

また、沢山の組織や人や法律やらが間伐に向かっています。
大きく分けて、次の2つの観点があります。

1.間伐そのものをがんばろう
2.間伐材を利用しよう

これにもう一言加えると、
1.間伐そのものをがんばろう→資金がないなかどう実行するか?
2.間伐材を利用しよう→使い道がないので売れない
とにかくお金がかけられない、お金が生まれないという困ったぐるぐるが存在している、ということが分かります。


さて、スギダラ的には(もちろん他にもたくさんの人や団体的には)、その困ったぐるぐるの中に飛び込んで解決を模索する、ということはひとまず置いておいて、楽しい!使いたい!心地いい!などの点から飛び出してみよう! という姿勢だと思います。

困っている山 から出発するのではなく、
楽しい生活 から出発して杉やら山やらにつながっていく、
だってつながっているはずだもの
ということでしょうかね。
ハテ、今の私達がどう山につながれるか。
追々考えて行きましょう。
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by sugidaratenryu | 2009-03-23 23:25 | 知識

杉の基礎知識 その1

ごくごく基本的な、杉的知識をまとめていきます。
情報源は基本的にネットです。根拠の固そうな(公共系中心で)サイトを複数見てまとめていこうと思います。間違うこともあるかもしれませんが、その時はご指摘頂ければ幸いです。

その1◆森林の人工林

日本の国土は、66%(3分の1)が森林。
森林のうち、40%程度が人工林。

人工林とは、植林された森で、基本的に人間が手をかけないと健全さを保てない森。
積極的に人間が関わってよい森であるとも言える。

現在では、人工林のうちの80%が放置状態という情報もありました。

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天竜の人工林

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by sugidaratenryu | 2009-03-16 23:35 | 知識

金原明善

金原明善(きんぱらめいぜん)の伝記を読みました。
〔金原明善  鈴木要太郎著  国土社〕

金原明善とは、浜松地方の地主で、天竜美林の植林をした、郷土では著名な事業家です。
国土交通省HPより〕〔紙芝居で解説

この本で植林の詳細は分かりませんでしたが、明善が、土地のみんなのため、国土を守るために無私となって(同時に嬉しくて)林業や堤防工事の治水に取り組んでいたことが分かりました。
愛情を支えにして、苦労しながら植林を進めてくれたその心意気を、無下にはしたくないと思いました。
また、友人の学校に明善の孫がいたらしく、伝説じゃなく、知り合いのおじいちゃんなんだなあと現実を感じました。
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by sugidaratenryu | 2007-09-23 15:37 | 知識


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